棚式乾燥機のしくみと乾燥プロセス
乾燥機でどのようにして乾燥できるのか?「棚式通風型乾燥機」のしくみと乾燥プロセスを、リーダー食品乾燥機30型(画像:下左)を例にして、以下にご説明します。
- 1.トレーに乾燥物(食材など)を並べる
- 乾燥する材料をプラスチックトレー(画像:上右)に並べます。このトレーは乾燥室の2列×15段の棚に30枚、収容できます。トレーのサイズは120cm×60cmです。
- 2.トレーを乾燥機の乾燥室に収容する。
- 乾燥物を載せたトレーを乾燥室の棚に並べます。トレイが少ない時は左右の棚に均等に並べます。
- 3.乾燥開始(乾燥温度と乾燥時間を設定して電源SWをON)
- 乾燥機右側の熱風発生装置から乾燥室下部に送りこまれた熱風は、下段のトレーから上段のトレーに吹き上げます。その時、熱風の熱と風で、トレー上の乾燥物の水分を蒸発させます。
- 4.乾燥初期段階(ワンパス状態)
- 乾燥初期(乾燥物は水分が多い恒率期):熱風は材料から蒸発する水分で湿度が高くなるので、天井のシャッターを開放し排気します。同時に吸気ダンパーから乾燥した外気を取り入れ、送風機を熱交換器に吹き付けることで乾いた熱風(設定温度)を発生させ、乾燥室に送り込みます。(画像:上)
- 5.乾燥中期段階(半循環状態)
- 乾燥中期(乾燥物は一次減率期):排気シャッターを半分閉め(連動して吸気ダンパーも半分閉ります)、内部の空気を半循環させます。燃料を節約すると同時に、上下段の乾燥度を均すためです。
- 6.乾燥後期段階(全循環状態)
- 乾燥後期(乾燥物は二次減率期で中心部に水分が残っている):排気シャッターを閉め(連動して吸気ダンパーも閉ります)、内部で熱風を循環させます。燃料を節約することができます。(画像:上)
- 7.乾燥終了。トレー搬出
- タイマーで設定した時間になると運転を終了します(まだ未乾燥の場合は延長します)。乾燥庫からトレーを搬出し、乾燥できた食材を収容します。
熱交換器のしくみ(なぜクリーンな熱風が作れるのか?)
- 乾燥機は、バーナーの高温燃焼ガスを「そのまま」熱風にしているわけではありません。
- リーダー食品乾燥機は熱風で乾燥する乾燥機です。熱源はオイルバーナーですが、バーナーで発生する高温燃焼ガスを「そのまま」熱風に利用するわけではありません。高温の燃焼ガスは「熱交換器」のステンレス内壁を熱するためだけに使われ、全ての燃焼ガスは煙突から外部に排出されます。燃焼ガスが熱交換器の外部に漏れることはありません(下図参照)
- クリーンな熱風は、熱交換器と送風機の組合せで作ります。
- バーナーの燃焼ガスで高温に熱せられた熱交換器のステンレス外壁に、送風機からの強風を吹きつけることにより、熱風を作り出しています。送風機は外部からクリーンで乾いた空気を取入れることで強風を作りますので、発生した熱風もクリーンです(上図参照)熱交換器を使って熱風を発生させる方式を「間熱式」と呼んでいます。
- リーダー食品乾燥機はクリーンな熱風で乾燥します。
- リーダー食品乾燥機は上記の「間熱式」乾燥機ですから、クリーンな熱風で乾燥します。
ひら乾(平型乾燥機)のしくみ
- ひら乾の構造
- ひら乾(平型乾燥機)は熱風発生装置と乾燥箱から構成されるシンプルな構造です(下図参照)実例は平型乾燥機をどうぞ
- ひら乾の乾燥のしくみ
- 乾燥するもの(穀類など)を乾燥箱に平らになるようにして、投入します。熱風発生装置から乾燥室下部に送り込まれた熱風は、多孔板を通して、品物の間を通りぬけながら乾燥します(上図参照)
- ひら乾の使用上の留意点
- 堆積した品物を乾燥しますので、時々、攪拌する必要があります。また軽いものは乾燥後半になると、飛ぶ恐れもありますので、対策が必要です。