- こちらは、食品乾燥機について「よくあるご質問とその回答集」です。
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乾燥機に関するご質問
- 熱源に関するご質問
- Q1-1 :乾燥機は油バーナーを使うそうですが、燃焼ガスが乾燥物につきませんか?
- Q1-2 :乾燥機にガスバーナーが使えるそうですが、危険ではありませんか?
- Q1-3 :電気式乾燥機が使いやすそうですが?
- Q1-4 :スチームの設備があるので、利用できますか?
- Q1-5 :直火式というのは何でしょう?
- 乾燥方式に関するご質問
- Q2-1 :熱風乾燥機で乾燥すると、色が変わると聞きましたが?
- Q2-2 :冷風乾燥が良いと聞きましたが?
- Q2-3 :真空凍結乾燥が良いと聞きましたが?
- Q2-4 :遠赤乾燥というのをよく聞きますが?
- 熱風乾燥機の種類に関するご質問
- Q3-1 :棚式乾燥機とはどんな乾燥機ですか?
- Q3-2 :台車式乾燥機とはどんな乾燥機ですか?
- Q3-3 :ひら乾とはどんな乾燥機ですか?
- Q3-4 :コンベア式乾燥機(バンド乾燥機)とはどんな乾燥機ですか?
- 送風機に関するご質問
- Q4-1 乾燥機にはなぜ送風機が必要なのですか?
- Q4-2 風量が多いほど、早く乾燥できますか?
- Q4-3 送風機の静圧とは何ですか?
- 乾燥機の使い方に関するご質問
- Q5-1 :何度で乾燥すればよいのでしょう?
- Q5-2 :何時間で乾燥できますか?
- Q5-3 :乾燥機を使うと「きれいに」乾燥できますか?
- Q5-4 :食品を開発しているのですが、乾燥テストができますか?
- Q5-5 :プラスチックトレイには、どれ位の製品をのせられますか?
- Q5-6 :プラスチックトレイには製品を、どのように並べたらよいでしょう?
熱源に関するご質問のお答え
- Q1-1:乾燥機は脂バーナーを使うそうですが、燃焼ガスが乾燥物に付きませんか?
- お答え:結論として、そういうことは構造的にありません。バーナーの燃焼ガスは直接乾燥に利用するのではなく、熱源としてだけ利用し、煙突から排出します。熱風は外部から取入れた空気を熱交換器で熱することで作り出されています。したがってクリーンです。熱交換器を利用する方式は、燃焼ガスを直接利用しないので、間熱式とも呼ばれます。図解はこちら。
- Q1-2:乾燥機にガスバーナーが使えるそうですが、危険ではありませんか?
- お答え:ガスバーナーは極めて信頼性の高い日本製バーナーを使用しています。また、油バーナー以上の安全装置がついています。いうまでもありませんが、設置工事は専門業者で行うことが絶対に必要です。ご使用にあたっては、生活でご利用になるガスの場合と同程度の配慮は必要ですが、危険ではありません。なお、ガスバーナーはオイルバーナーと異なり完全燃焼です。写真はこちら
- Q1-3:電気式乾燥機が使いやすそうですが?
- お答え:電気ヒーターを熱源としますので熱風はクリーンです。また、煙突工事も必要ありません。欠点はランニングコスト(電気代)が油に比較して高くなることです。場合によっては電気設備の変更が必要となります。機械と電気ヒーターの例
- Q1-4:スチームの設備があるので、利用できませんか?
- お答え:スチームは他の熱源に比べはるかに低温(通常140℃以下)で、一般的な溶剤の引火温度より低いため、防爆に適した熱源です。ヒーターの熱効率も高く、熱風もクリーンです。ボイラー設備を既にお持ちで、能力に余裕があれば、良い選択ではないでしょうか。機械と蒸気ヒーター例
- Q1-5:直火式というのは何でしょう?
- お答え:熱風発生装置において、熱源から発生する熱を直接熱風に利用する方式を直火式といいます。熱源がクリーンな電気ヒーターはこの方式です。ガスバーナーは完全燃焼しますので場合によっては直火式でも可能です。直火式に対して熱交換器を介して熱源を利用する方式を間熱式と呼びます。油バーナーやスチームヒーターはこの方式となります。直火式のほうが間熱式よりも熱効率は高くなります。機械例はこちら
乾燥方式に関するご質問のお答え
- Q2-1:熱風乾燥機で乾燥すると、色が変わると聞きましたが?
- お答え:一般的に生物(食物)の色素は変化しやすく、死後はもちろん、外気温よりも少しの高温で劣化する場合が多いです。植物でいえば花弁の色素は最も弱い部分です。このことは日常で経験されていることでしょう。熱風乾燥機は外気温より高い温度で乾燥する乾燥機ですから、熱変化に弱い色素の乾燥物はどうしても、乾燥すると色が変わります。(ほとんどの場合、濃い目になります。)乾燥を低温から開始し、徐々に高温にするというテクニックで、変化を少なくすることは可能です。
- Q2-2:冷風乾燥が良いと聞きましたが?
- お答え:冷風乾燥は除湿乾燥とも呼び、エアコンで乾燥すると考えればよいでしょう。温度をかけませんので色変化に弱い乾燥物に適しています。しかし、一般的に、本体価格とランニングコストは熱風乾燥機より高くなります。また、乾燥時間も長くなります。
- Q2-3:真空凍結乾燥が良いと聞きましたが?
- お答え:真空凍結乾燥はフリーズドライとしてインスタントコーヒーでおなじみですね。生物細胞中の水分を急速に除去できますので、成分変化が少なく理想的な乾燥方法です。しかし、本体価格は極めて高く、ランニングコストも極めて高くなります。高価格な商品に適した乾燥方法です。
- Q2-4:遠赤乾燥というのをよく聞きますが?
- 遠赤外線は熱源から発生する不可視の熱光線です。熱源がある程度高温でなければ、乾燥に適するほどのエネルギーをもつ遠赤外線は発生しません。(したがって、遠赤肌着というのがありますが効果は?です)また、遠赤外線は発生源から直進し乾燥物に吸収されることにより熱に変化します(輻射熱)。そのため、乾燥機として利用するにはコンベア上に並べて上から照射するなどかなり制約があります。なお、遠赤乾燥で乾燥物の品質が良くなるといわれることがありますが、科学的に検証されたものではないようです。
熱風乾燥機の種類に関するご質問のお答え
- Q3-1:棚式乾燥機とはどんな乾燥機ですか?
- お答え:乾燥室に棚があり、それに乾燥用のトレイを載せて乾燥します。通常、トレイは網目で風の通りをよくしてあります。乾燥物をトレイに並べる必要がありますが、幅広い乾燥物に利用できます。棚式乾燥機には2種類あり、熱風をトレイの下から吹上げる吹上式と、トレイの横から通す横吹式があります。どちらの方式が適するかは乾燥物によります。図解はこちら
- Q3-2:台車式乾燥機とはどんな乾燥機ですか?
- お答え:台車に棚があり、その棚にトレイを並べます。台車を乾燥室にいれて乾燥します。棚式台車乾燥機と呼べばわかり易いですね。予備台車があれば、乾燥中に次工程の乾燥物を用意できますので作業効率が上がります。(特注仕様になります)写真はこちら
- Q3-3:ひら乾とはどんな乾燥機ですか?
- お答え:ボックス型乾燥機とも、箱型乾燥機ともいいます。上部が開いた乾燥箱に乾燥物を投入し、下から熱風を送って乾燥する方式です。シンプルな構造ですから、故障も少なく、本体価格も安いというメリットがあります。乾燥物によっては効率的な乾燥方法です。図解はこちら
- Q3-4:コンベア式乾燥機とはどんな乾燥機ですか?
- お答え:熱風発生装置とベルトコンベア装置のついた乾燥室で構成しています。乾燥室に熱風発生装置からの熱風を送りこみ、ベルトコンベアの上に乾燥物をのせて乾燥します。コンベアは場所をとらない多段式が多く利用されています。図解はこちら
送風機に関するご質問のお答え
- Q4-1:乾燥機にはなぜ送風機が必要なのですか?
- お答え:乾燥物内部の水分を、目的の水分量に低下させることを乾燥といいます。乾燥時には内部の水分は熱風から与えられる熱エネルギーにより内部より外部に放出(蒸発)されますが、風がないと乾燥物周辺に残り、湿度100%になります。こういう状態ではまったく乾燥できません。蒸風呂で乾燥するような状態を想像するとわかりやすいですね。
- Q4-2:乾燥機の風量が多いほど、早く乾燥できますか?
- お答え:風の役目は乾燥物に熱を送ることと、乾燥物周辺の水蒸気を乾燥庫外に排出することです。そこで、風量が必要以上に多くても無駄な熱として排出されるだけで、乾燥速度とは関係ありません。しかし、乾燥物をトレイに多く詰めこむしたなどの場合は、風の流れが悪くなるため、乾燥時間が長くかかり、ムラ乾燥になりやすいです。機械の能力に合った処理量での使用が必要です。
- Q4-3:送風機の静圧とは何ですか?
- お答え:静圧は送風機能力の一つで、風を押込む力といえます。家庭用の扇風機は風量があるようにみえても、静圧が低く、抵抗があるとすぐに回転が落ちてしまいます。乾燥機には乾燥物などの抵抗に対応した、静圧の高い送風機を使用しています。
乾燥機の使い方に関するご質問のお答え
- Q5-1:何度で乾燥すればよいのでしょうか?
- お答え:食品用としては、40℃~50℃をお勧めします。一般的に低い温度で乾燥すると、色変化は少ないですが乾燥時間がかかります。高温で乾燥すると、色変化が大きくなりますが、短時間で乾燥できます。そこで、乾燥の初期段階は低温で始め、段階的に温度を上げて、後期を高温で乾燥する、という方法で、色変化を少なく、時間を短縮することができるケースがあります。
- Q5-2:何時間で乾燥できますが?
- お答え:もし乾燥の目的が果物や農産物、水産物などの常温保存だとすれば、水分量が13%以下(10%以下ならさらによい)になるまで乾燥する必要があります。この水分量になるまでにかかる乾燥時間は、乾燥物により異なります。一般的に、もともとの水分量が少ないもの、体積に比較して表面積が大きいものは早く乾燥できます。ですから、大きいものは小さく分割し、厚いものは薄く切ると早くなります。具体的な時間が知りたい場合は、当社で試験乾燥ができます。詳しくはお問合せください。
- Q5-3:乾燥機を使うと「きれい」に乾燥できますか?
- お答え:一般的に、天日乾燥よりも早く品質よく乾燥できます。乾燥機の性能をフルに引き出すには乾燥物にあった適切な操作をする必要があります。こちらの小冊子に乾燥の要点をまとめてありますので、ご参考にしてください
- Q5-4:食品を開発していますが、乾燥テストができますか?
- お答え:御社の開発品などを当社の乾燥機を使い、乾燥試験ができます。仕上り具合や、乾燥時間、乾燥方法の確認、などにご利用いただけます。当社にテスト品をご送付いただければ、費用は原則として無料です。詳しくは「試験乾燥 受付」をどうぞ。
- Q5-5:プラスチックトレーにはどの位の食材をのせられますか?
- お答え:当社のリーダー食品乾燥機で使用するトレーの寸法は120cm*60cm*5cmです。一枚のトレイに載せられるのは乾燥前重量で5kg以下です。(それ以上では重量でトレーが変形します) 品物の形状によっては、風が通りにくく、この重量以下でも乾燥が難しい場合があります。また、網目が8mm*32mmですので、それ以下の品物は落ちることがあります。この場合は専用トレイを製作する必要があります。
- Q5-6:プラスチックトレーにはどのように食材を並べたらよいのでしょう?
- お答え:当社のリーダー食品乾燥機の場合、熱風がトレイ底全面から均一に通り抜けるように並べるのが原則です。ホールの果物などはトレイに均一になるように並べてください。また粉末状のものなどはあまり厚くしないで均一な層にしてください。形状によっては並行流乾燥機のほうが適する場合もあります。